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2019.01.09

子供の骨の特徴

子供の骨折はその特徴が大人とちょっと違います。
まず、骨についてみると、子供の骨は大人よりも柔らかいのです(未熟な骨の成分が多い)。
また、成長軟骨と言って、骨の端にレントゲン上、線状に写る部分があります(成長線)。
これらの特徴により、大人と違った骨折の特性が出ます。


まず、骨が柔らかいことによる違いです。

骨が大人のように硬くないために、完全に折れてない状態の骨折で若木骨折と言うものがあります。その名のごとく、若木(乾燥しきっていない枝など)を折ろうとしても、凸側の部分は裂けますが、凹側は連続したままです。
あれと同じ事が子供の骨で起きるのです。骨折線は見えないけれど、しわがよったように見えることも多いです。手首の骨折によく見られます。

また、凸側、凹側ともに連続性が保たれたまま、骨がまるでプラスチックを曲げたように曲がることがあります。
これを急性塑性変形と言います。


軽度の場合、外見上の腫れも少なく、痛みだけが手がかりで、レントゲンでも最初はわからないこともあります。
そのままギプスシーネで固定すればよいものから、麻酔をかけて形を戻さないといけないものまで様々です。


このように子供の骨折の場合、成長という問題があるために大人とは違った考え方をする必要があります。



上記のように成長途中であるが故に不利な面もあるのですが、逆に、成長途中であるが故に有利な点もあります。
それは、骨折が曲がったまま、変形してくっついたとしても、自然にまっすぐになっていくという能力が大きいことです(骨の自家矯正能力(remodel:リモデル))。


この、自然に矯正可能な変形の強さは部位や程度、年齢によって変わってきます。
自家矯正が多く見られる変形としては、関節の動く方向の変形があります。
このような骨の自家矯正能力は、年齢が低いほど矯正能力は大きく、中学生以降はこの能力は非常に小さくなってしまいます。


このように、子供の骨折は大人の骨折と違った概念で治療する必要があるのです。

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